新刊のお知らせとお願い

“This is the beginning of my farmer’s family, and since then I’ve been helping out all the agricultural and forestry jobs for over 20 years.”

百姓の子になる。霧雨がしとしとと降る夏の朝でした。三歳の私は土間へ降りて座敷の方を見上げると、二歳上の兄が膝を抱えた両手 で涙を拭いながら「おらが行く、おらが行く」と泣声を出していました。一番歳下の私が親戚へ貰われて行くというの に、父母や他の兄弟など、その場の記憶はこれだけしか思い出せません。当然その時の自分の心境も不明ですが、普通 なら私が行きたくないと泣き叫ぶところで、兄が行きたいと泣くほどですから、子供でもその時の止むを得ない家庭の 事情を察していたとしか考えようがありません。迎えに来た伯母に連れられて私は家を出ました。8歳上の姉が約1キ ロ、トンネルの入り口まで送ってくれました。川上への狭い道路を伯母に手を引かれて9キロほど歩き、急な坂道を1 キロほど上って伯父の家に着きました。恐る恐る土間から上がった時、板の間へくっきりと付いた自分の濡れた足跡が 今でも鮮明に思い出されます。土間の入り口にガラス戸越しに外を見ると、すぐ向かい側が牛小屋で、刈って来た草の 荷を伯父が降ろしているところでした。 この日からいつの間にか70数年も経ってしまいましたが、これが私の百姓の始まりであり、 それから20年以上も農林業のあらゆる仕事を手伝うことになったのです。

ダム建設を止めた元村長の藤田恵さんの本を出版します

「ダム建設を止めた村・木頭村の暮らしを伝える本出版 クラウドファンディングのお願い」

「月刊むすぶ」( ロシナンテ社 ) の藤田恵さんの連載を本にしようとクラウドファンディングに挑 戦中です。四国の山村 · 木頭村(現那賀町)、そこでの子どもの頃からの農作業、山仕事の記憶を 書きとめています。そして戦後の山林政策の失敗により近年多発する洪水。地に足ついた暮らし をしてきたからこそ見えてくる本質的な問題も鋭く指摘。木頭で生まれ育った藤田さんの昔語り から、私たちの原風景を感じ取って下さい。ダム、洪水、その根っこにも迫る、藤田さんの声を 少しでも多くの皆様に届けるためにご支援よろしくお願い致します。